なるべくスマホは使わないようにしています。
使用時間は長くても1日1時間、ここのところの平均は1日40分弱です。
こちらの記事によると、日本人が1日にスマホを使う時間は「2時間以上3時間未満」が多数のようです。別記事によるとアメリカでは3時間15分が平均だとか。
こうした数字と比較すると、1日40分というのは相当少ないほうではないでしょうか。
なぜスマホを使う時間を減らそうと思ったのか?
前まではそれなりにスマホを使う時間が多かったように思います。
「思います」というのは、自分でどれくらいの時間をスマホに使っているか把握していなかったからです。
「毎日スマホにどれくらいの時間を使っていますか?」
この質問に対して、それこそスマホを見ることなく回答できるのであれば、スマホとの距離をきちんと保てていると言えるかもしれません。
当時の僕が質問されたら、間違いなく即答はできませんでした。
そんな状態からなぜスマホと距離を置こうと思ったのかというと、生産性が著しく下がっていることに気付いたからです。
スマホは生産性を著しく下げる
仕事がめちゃくちゃ忙しい日はスマホを見る余裕もありません。娘を保育園に迎えに行かなければならないので、それこそ必死で仕事を終わらせようとします。
一方で仕事に余裕がある日はどうか。
スマホから通知があるたびにチェックします。いや、通知がなくてもチェックします。そのたびに集中力がそがれます。そして集中力がそがれたことに気付かないほど、スマホにのめり込みます。
途中で我に返って仕事に戻る→そしてまたスマホに手が伸びる→スマホにのめり込む→我に返る・・・
そんなことを繰り返して、気が付くと娘を保育園に迎えに行かなければならない時間です。慌ててその日の仕事を終わらせます。
でも今日って確か仕事に余裕がある日じゃなかったっけ?
仕事が忙しい日もそうでない日も、仕事用パソコンの前に座っている時間は同じ。何が違うって、スマホを使っている時間とアウトプットの量。
アウトプットの量とスマホを使っている時間が反比例している。
きっとコイツ(スマホ)が悪玉な気がして、スマホについて調べてみたんですが。
生産性を下げる原因1:スマホには中毒性がある
少し専門的な話をします。
人間の脳は、自分に直接的に関係がありそうな不確かな新情報に触れようとするとき、ドーパミンを分泌します。ドーパミンを分泌することは、快感を得ることを意味します。
この脳のメカニズムは、人間が狩猟採集生活をしていた頃からのものです。
自分に直接的に関係がありそうな不確かな新情報、たとえば野生動物から身を守れる場所や逆に危険な場所、食料が豊富に手に入れやすい場所などを見つけることで、人間は生存可能性を上げることができました。進化の過程で、そうした情報を手に入れることが快感と結びつくようになります。
現代人の脳は当時から変化していません。
スマホがもたらす新しい知識や情報によって、脳はドーパミンを分泌します。祖先が食べ物や安全な環境を見つけたときと同じように快楽を感じます。
もちろんパソコンや書籍からだって新しい知識や情報を得られます。ただスマホはより身近で、より手っ取り早い。
つまりスマホは脳のメカニズムに直接的に働きかけていているんですね。メールやチャット、SNSの投稿、そうした情報を手っ取り早く手に入れ、そして快楽を得ることができる。そうして僕たちはこの快楽に溺れて、スマホにどんどん依存していくというわけです。
ここまで書いた人間がスマホに依存してしまう仕組みについては、こちらの本「スマホ脳」に詳しく書いてあります。スマホって本当に怖いです。
あのスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツも、スマホの依存性や悪影響を認識して子どもの利用時間に制限を課していたとか。
スマホの依存性について詳しく知りたい方、おすすめです。
こちらの記事も参考までに。
生産性を下げる原因2:置いてあるだけで集中力が下がる
スマホは近くに置いてあるだけで集中力を下げます。特に通知がなくても、です。
以下の記事はテキサス大学で行われた実験についてのもの。この実験は、スマホが近くにあることがどれだけ認知能力に影響があるかを調査する目的で行われました。
被験者は、自分のスマホを机の上に置く、ポケットに入れる、バックに入れる、隣の部屋に置く、この4つのグループに分けられ、その上で解決に集中力を要する課題に取り組みました。スマホはサイレントモードにするか電源をオフにしています。
その結果、分かったことは「スマホを机の上に置く」グループが最も成績が悪く、「隣の部屋に置く」グループが最も良かったこと。
この実験をおこなった教授は次のように結論付けています。
It’s not that participants were distracted because they were getting notifications on their phones,” said Ward. “The mere presence of their smartphone was enough to reduce their cognitive capacity.
https://medicalxpress.com/news/2017-06-mere-presence-smartphone-brain-power.html?utm_source=tabs&utm_medium=link&utm_campaign=story-tabs
(ブログ主の訳:被験者の集中力がそがれたのは、スマホに通知が届いたからではありません。スマホがただそこにあるだけで、人の認知能力は低下してしまうということです)
どうでしょう、ただ置いてあるスマホが気になって手に取ってしまった経験はないでしょうか。少なくとも僕は、通知がないのにスマホを手に取りLINEアプリを立ち上げることはしょっちゅうです。スマホが目に入るたびにこれをやっていたのでは、集中力が下がるのも当たり前ですね。
スマホとどう付き合うか真剣に考える
スマホがあれば生産性が上がり、便利になってより良い生活が送れる。
いつでもどこでも調べものができ、連絡が取れる。効率よく仕事が進み、時間をつくることができる。余った時間で今よりもっと仕事が出来るようになったり、あるいはプライベートの時間を充実させることができる。
そう思ってスマホを持っていたし、だからこそスマホはここまで普及したと思っているのだけど。
実際のスマホは付き合い方次第で、集中力を下げ生産性を下げ、さらには人を依存させてしまう。そんな現実をみたら、真剣にスマホとの付き合い方を考えざるをえません。
スマホを手放し、ガラケーとタブレットの組み合わせも考えましたが、モノが増えることに抵抗がありました。そもそもスマホがタブレットになっただけで、依存先としては変わらない気もしましたし。
スマホのいいところだけは残し、ネガティブな部分は避ける。
そのためにはまず、僕にとってスマホのいいところ、そしてネガティブなところを知る必要がありました。つまり現状分析です。
まずは現状分析から
現状を変えるには、まずは現状を知ることから始めなければなりません。
スマホを何にどれだけ使っているのか?僕はiPhoneユーザーなので、スクリーンタイムを使ってそれらを確認しました(Androidにもスクリーンタイム機能はあります)。
まず驚いたのが使用時間。
1日の使用時間が平均して2時間を超えていたということ。多い日は3時間を超えていました。なんとなく1時間程度だろうと想像してましたが、まさかここまでとは…。
3時間って1日の1/8です。睡眠時間を除けば1/5とちょっと。このままのスマホ生活を続けていたら、人生の1/5以上をスマホをみて過ごすことになる…それはさすがに嫌だ。
また使用アプリを見ていて気づいたこと2点あります。ざっくりと使用時間順に並べると次の通りだったのですが、
・Google Chrome
・LINEやMessengerでのやり取り
・flier(本の要約サービス)
・習慣管理(Habitfy)
・ランニングアプリ
・体重管理
・天気予報チェック
・カメラ(主に子どもの写真を撮る)
・メルカリの取引
・お金の管理(小遣い帳、資産管理、銀行残高)
・電車の乗換案内
・知らない土地に行ったときのGoogle Maps
・受電/発信
1位のGoogle Chromeと2位にあるLINEが、3位以降に圧倒的大差をつけていました。
なぜこんなにもGoogle ChromeとLINEを使っているのか分析してみたところ、次のような流れでした。
・朝起きたらLINEをチェックする
・ついでにLINE Newsをみる
・気になるニュースがあると、Google Chromeを立ち上げてGoogleニュースで同じニュースをチェックする
・Google Chromeを立ち上げたときに出てくるよく訪問するサイトにあるYoutubeのロゴが目に入り、Youtubeを見始める
この流れであっという間に数十分(休みの日は下手したら1時間近く)経過します。
そして大体の場合、iPhoneを立ち上げるたびにYoutubeとGoogleニュース、LINE Newsがすぐに目に入り、またスマホにのめり込んでいってしまうんですね。
もともと別の目的でスマホを手にしたはずなのに、その目的を達成するしないに関わらず、スマホをいじり続けることになっていました。
そしてもう1つ気付いたのが、「受電と発信」以外はすぐさまの対応が必要なものはほぼなかったということです。そしてその「受電と発信」だって、事前にかかってくることが分かっていた場合がほとんどで、それ以外はセールスなどの電話でした。
僕の場合、LINEやMessenger、メルカリの取引だって、ほとんどの場合は1日に1回か2回チェックしておけば十分だということも分かりました。
要するに、そんなに頻繁にチェックする必要などなかったということです。それでもチェックしてしまうのは、スマホの中毒性なのかもしれません。
減らすためにやったこと
現状分析で分かったことを活かして、次の対策を取っていきました。
スマホ時間を常に把握できるようにする
まず最初にやったのは、iPhoneのホーム画面にスクリーンタイムのウィジェットを登録したことです。
こんな感じ。
スマホを手に取って何かをしようとする度に、どれくらいスマホに時間を使っているのかが嫌でも目に入ってしまうということになり、嫌でもスマホ時間を意識することになります。
たとえばダイエットでも毎日体重を量って自分の数字を目にすると、嫌でもダイエットを意識しますよね。体重に意識的になれば、日々の食事を始めとする行動に少しずつ反映されてきます。
それと同じで、スマホを使う度にスマホ時間を意識するようになり、スマホに触っている時間を減らそうと行動が変わってきます。
それと僕の場合、途中からゲーム感覚でスクリーンタイムの時間を減らそうとするようになり、楽しみながら(?)スマホ時間削減に取り組めるようになりました。
自分で自分のスマホ時間を把握し削減を意識付けるには、この方法は手っ取り早いと思うのでぜひ試してもらいたいと思います。
設定の仕方は以下の通りです(iPhoneの場合)。
ホーム画面でアプリを長押し
> ホーム画面を編集
> 画面上部の「+」をタップ
> 検索窓で「スクリーンタイム」を検索
> ウィジェットを追加
> ホーム画面にウィジェットを移動
アプリの通知をオフにする
頻繁にチェックする必要のないアプリからの通知はオフに設定しました。
上でも書いたとおり、僕の場合はスマホですぐに対応しなければいけないことなんてほとんどないことが分かっていました。よって、ほとんどのアプリの通知がオフになりました。
逆にオンしていたのは、家族からのLINE通知と受電だけです。
結果として恐ろしく静かなスマホになりました・・・
アプリを削除する
「パソコンで見ることができるもので、外出先で使わないもの」という基準で、アプリを削除しました。
たとえば本要約サービスの flier や、 家計簿アプリの マネーフォワード ME、天気予報など。
そして思い切って、僕のスマホ時間で一番の大物、Google Chromeも思い切って削除してみました。かなり葛藤しましたが、まぁ本当に必要ならまたインストールすればいいだけですからね。
合わせてSafariも削除し、スマホではブラウジングできなくなったのですが、これはスマホ時間を削減するのに大きく貢献しました。
必要なアプリを見極めるおすすめの方法は、とりあえず一旦全てのアプリを削除してしまうというものです。使いながら「必要だな」と思ったら都度インストールし直していく。
僕の場合、天気予報は削除したものの、しばらくして再インストールしました。洗濯物を干すときやランニングの時間を考える際に、わざわざパソコンの前に行って天気予報を調べるのは手間だったからです。
アプリを減らして必要なものだけにすれば、当然ながら必要なときだけしかスマホを触らなくなるので、時間が大きく削減できます。
LINEの「ニュース」タブを非表示にする
上でも書いたとおり、僕の場合、LINEのメッセージを確認するタイミングでLINEニュースも見てしまうことが、スマホにのめり込んでしまう一つの原因でした。
そのため、LINEニュースをすぐには見られなくする、つまり「ニュース」タブを非表示にすることで、スマホ時間の削減を図りました。
別にLINEニュースを見られなくなっても、特に問題はなかったです。まぁ、習慣といいますか、惰性で見ていただけだったのでしょう。
「ニュース」タブを非表示にする前は、もしニュースが見たくなったら他のニュースサイト(Googleニュースなど)をパソコンから見ようと思っていましたが、今はそれすらもしていません。
僕にとってはニュースはそもそも必要なかったみたいです。
関連記事:ニュースをまったく見なくても、自分の人生にはまったく影響がないことに気付いた(執筆中)
「ニュース」タブを非表示にする方法は、以下のサイトに詳しく説明されています。
視界から消す
この記事の前半で、スマホは近く置いてあるだけで生産性を下げることについて書きました(「生産性を下げる原因2:置いてあるだけで集中力が下がる」)。
スマホが目に入る場所にあると、どうしても気になってしまい、反射的に手に取ってしまうことがあります。
そこで試しにスマホを視界から消すことに。
まず最初に机に引き出し(サイドチェスト)に入れました。
机の上に置く場合と比べて、集中力は格段にアップしました。ただ、椅子から立ち上がることなくスマホを見ることが出来るので、ふとした瞬間に机の引き出しを開けてしまいます。
そこで思い切って別の部屋に置くことにしました。着信音はオンにしておけば、仕事や保育園から連絡があっても気付くことができます。
これが大正解。先ほど紹介した実験のとおり、スマホの存在を忘れて集中力を維持するのには、スマホは別の部屋に置いておくのが一番効果的でした。
ロッキングコンテナに入れるのもあり
別の部屋に置いたスマホを取りに行ってしまうほど重度のスマホ中毒の方には、タイムロッキングコンテナに入れてしまうのもありだと思います。
タイムロッキングコンテナとは、入れてしまうと設定した時間まで開かないコンテナ(箱、入れ物)のことで、スマホだけでなくゲームを入れたり、買い物しがちな人はクレジットカードを入れたりして使うものです。
僕が調べたこちらの商品はケースが切り抜かれているため、緊急時の発信や受電ができます。電話すらもしたくない場合は、スマホのホーム画面を裏にしてしまえば電話すらもできません。
レビューの評価もいいみたいですので、検討してみるのはいかがでしょうか?
さいごに:スマホは生活を充実したものにしているか?
確かにスマホは便利です。今更スマホを手放すのはなかなか難しい。
ただ、便利であることが必ずしも生活を充実させてくれるとは限らないです。
知りたいことをその場ですぐに知ることが出来るのは便利だけど、そもそもその情報を知ってどうなるんだ?ってことありませんか?
逆に知らなきゃ良かったことだってきっとあるはずです。SNSに投稿される友人の充実した(ようにみえる)生活や、ニュースで流れる悲惨な事件。
友人が元気に過ごしていることを電話やメールをすることなく知れるとしても、
新聞を待たずに、あるいはテレビの前にいなくてもニュースを知れるとしても、
そうしたことが生活を充実したものにしてくれるかどうかは、別の問題です。
行きたくもないところに一瞬で行けるようになったって、意味ないのと同じです。ドラえもんだってのび太といればろくな事になりません。
便利さが生活を充実したものにしてくれるのは、どうすれば生活が充実するか分かっていて、それに向かって進んでいるときだけです。
自分がどうすれば充実した生活を送れるか、それが分からない状態でスマホを使い続けても、当たり前ですが生活が充実することはないと思います。
もし今、生活が充実していないのなら、スマホで時間を使うのではなく、いったんスマホと距離を置いてみませんか。
スマホに依存している場合は、スマホがなくなったらやることがなくなると思うでしょう。でもそんな状態でスマホをいじり続けても、自己嫌悪に陥るだけです。
「ヒマでやることないから〇〇するか」
そういう気持ちでもいいので、その〇〇をやってみてください。もちろん〇〇はスマホ以外のことで。
この記事で書いた対策をとった結果、冒頭で書きましたが、僕の今のスマホ時間は平均して1日40分程度です。今までは2時間以上使っていました。単純に計算すれば毎日1時間半以上をスマホから取り返したことになります。
最初は手持ち無沙汰で、思わずスマホを手に取ってしまいそうになりましたが、今ではこれまで出来なかったことに時間を使えています。
「ヒマでやることないから仕事でもするか」で、仕事を前倒して進め、余った時間で子どもと遊んだり。
「ヒマでやることないから料理でもしてみるか」で、今まで40年以上やってなかった料理に挑戦してみたり。
人生が楽しくなっています。
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