「さっきの自分の言動、バカだって思われたかも」
「怒りを買ったんじゃないか」
「つまらないやつと思われたかな」
おそらく、誰もが一度はこうした言葉を自分に向けたことがあると思います。
人間関係の中で生きていれば、ある程度は周りの目が気になるのも仕方のないことかもしれません。
でも、度が過ぎるとシンドイです。なぜなら、他人が自分をどう思うかは想像はできても答えがでないからです。
答えがでないことを考え続けると疲れます。
疲れて、ほかにやるべきことにエネルギーを使えなくなって、やるべきことをやれない自分に凹みます。
そして、凹んだ自分を誰かに励ましてもらいたくて、また周りの目が気になり始めます。
悪循環です。
そんな悪循環から逃れるにはどうしたらいいでしょうか。
僕がそんなときに意識しているのは、「あえて周りに目を向けてみる」ことです。
「え!?何言ってんの?」
そう思われるのも分かります。でもページを閉じるのはもうちょっと待ってください(汗)
周りの目がなぜ気になるかを考えれば、 周りに目を向けることがいかに効果的か分かっていただけるはずなんです。
なぜ周りの目が気になるのか?
なぜ周りの目が気になるのか、考えてみたことはありますか?
周りの目を気にしてやりたいことができなかったり、ウジウジしたりソワソワしたりし続けている人は、周りの目が気になる理由をちゃんと考えていないように思います。
偉そうに書いてますが、過去の僕もそうでした(そして今でも油断すると、前の自分に戻ります)。
そういう人に「周りを気にするな」と言ってもあまり意味はありません。
実際に僕も「そんなに周りばかりに気にしたって意味ないよ!」とアドバイスもらったことがありますが、まったく響きませんでした。
なぜか?
その理由は、本当のところは「周りを気にしていない」からです。
本当に気にしているのは「周りの人が自分をどう評価しているか?」なんです。
周りの目に自分がどう映っているのか、考えているのはこのことばかり。周りを気にかけて、その人のために自分が何が出来るか、そんなことは考えていません。
考えていたとしても、相手のためにというよりは、そのことによって自分の評価が上がるかどうかを考えています。
まとめると、周りの目を気にしてばかりいる人は、自分がどう思われているかばかり気にしていて、自分のことばかり考えている。つまり、相手のことは考えていないんです。
評価が気になるのは、あなたが満たされていないから
なぜ周りの人の自分に対する評価が気になるのでしょうか?
それは「満たされていないから」です。
満たされていないものは自信です。「自分を信じていない」んです。
自分に自信がないから、自分で自分を評価していないから、他者からの評価で埋め合わせをしようとしています。
だから
「僕/私をみて欲しい」
「認めて欲しい」
「好かれたい」
このように、常に他者からの評価を渇望するようになります。
そして、周りから評価をもらうためにはどうしたらいいか?このことばかり考えるようになるんです。
これが「周りの目が気になる」正体です。
周りの目を気にして生きるとシンドイ
想像できると思いますが、周りの目を気にして生きるのはシンドイです。
周りの目を気にし始めると、たとえば次のようになっていきます。
疑い深くなる
そもそも、相手が自分をどう評価しているかなんて、本当のところは分かりません。
仮に言葉で色々と言われたって、ホントにそうなのか証明できないですよね。自信がない人ほど、疑ってかかります。
人の言葉を信じることができないとシンドイですよ。
いくら周りに人がいても自分との間に壁を感じてしまいますし、相手の善意の言葉が届かないのですから。
成長できない
自分以外の誰かの評価を軸に生きていれば、失敗したときにその人のせいにしてしまいます。失敗を他人のせいにしてたら、成長はありません。
成長しなければ自信もつかないですし、自信がつかなければ、周りの目を気にし続けることになります。
やはり悪循環です。
周りから人がいなくなる
「僕/私をみて欲しい」
「認めて欲しい」
「好かれたい」
このように give and take の take ばかりを求めていれば、周りにも似たような人が集まってきます。
少なくとも、積極的に give し合う関係を求めている人は周りからいなくなります。
そういう人は同じように give し合う仲間達に囲まれ、お互いに高め合っていくからです。
自分の周りに残るのは、同じように自信がなくて、傷の舐め合いを求める人ばかり・・・
take ばかりを求めて give しようとしない、そういう思いやりのない人たちに囲まれ、そして自分もいつの間にかそういう人たちの仲間入りをしています。
幸せを感じることができない
シンドイことは色々あるけど、「幸せを感じることができない」のが一番シンドイのではないでしょうか。
なぜ幸せを感じれないかというと、幸せの基準が他者からの評価にあるからです。
「僕/私をみて欲しい」
「認めて欲しい」
「好かれたい」
自分に自信がなく、周りの評価ばかりに気にしている人は、これらが満たされないと幸せを感じることができません。
つまり他人に幸せにしてもらうしかなくなります。
でも繰り返しになりますが、人が自分をどう思うかは想像はできても答えがでないもの。
「本当に好かれているのだろうか?」って疑いをもった瞬間、幸せではなくなります。
他人の評価は、本当の意味で確認することができないんです。そんなものを幸せの基準にして、幸せになるのは非常に難しいです。
ではどうすればいいのか?
ここまで書いてきたことをまとめます。
- なんで周りの目が気になるのか?→自分のことばかり考えているから
- なぜ自分のことばかり考えているのか?→満たされていないから
- 満たされない自分を放置しておくと→疑い深くなり、成長がとまり、孤独になり、幸せを感じることができなくなる
どうすればいいのでしょうか?
「自分で自分を評価しよう」「周りの目を気にしないようにしよう」
もちろんそうなんですが、それが出来ないから周りの目が気になるんですよね。簡単にできれば苦労はありません。
そこで提案したいのが、周りの目を気にしないようにするのではなく、あえて周りに目を向けてみようということです
周りに目を向ける
具体的に言います。
これまで説明してきたとおり「周りの目」ばかりを気にしている人は、周りの人たちの自分に対する評価にしか興味がありません。つまり、視点が自分にしか向いていないのです。
no.1その視点を、意識して周りの人に目を向けてみるということです。
no.2つまり自分への評価をみるのではなく、興味をもって相手をみるということ。
興味をもって相手をみるといっても、大げさなことでなくてもいいです。
たとえば
「何か困っていることはないかな?」
「今日は元気そうだけど、いいことでもあったのかな?」
「いつもと違う印象の服装だけど、今日はこれから何かあるのかな?」
「この人のこういうとこ、好きだな/尊敬できるな/かっこいいな」
こんな些細なことでかまいません。
もし周りの人に対して興味をもって見ることが難しければ、最初は町の風景や自然の景色に対してであってもいいです。
「こんなところに居酒屋あったっけ?」
「少し日が長く/短くなかったかな?」
「この木、枯れ気味だけど、この季節の木じゃないのかな?」
こういうところから少しずつ、自分以外のものを興味を持ってみてみるようにする。
おそらく気付くはずです。興味をもって相手や外をみているときは「自分が周りからどう思われているか」がたいして気になっていないことに。
なぜなら、人は同時に2つのことを考えられないからです。
そしてシンドイ気分から少しでも解放されていることにも気付くはずです。
周りの人のために、いまできることをやる
周りに目を向けてみて、どうだったでしょうか?
興味をもって相手をみてみれば、いろんなことに気づくはずです。
なぜ気づけるかというと、今まで培ってきた観察眼があるからです。
これまで、周りの目を気にして人の顔色を伺ってきました。自分をどう評価しているか、ずっと観察してきました。
長年磨きをかけてきたあなたのその観察眼は、相当鋭いものです。
その観察眼を使って、相手の態度や表情や雰囲気などの微妙な変化を感じ取ることができます。
そこで次のステップです。
その感じ取ったことをもとに、周りの人に対してアクションを起こしてみてください。
その鋭い観察眼を自分を満たすために使うんじゃなくて、周りの人のために使ってみようということです。
ハードル高いですか?
でもね、興味と鋭い観察眼をもって周りを見たら気づくはずです。
その人たちも自分と同じように、「好かれたい」「認めてもらいたい」「気にかけて欲しい」と少なからず思ってるということに。
それに気付いたなら気が楽になります。
ここでも、些細なことからはじめてみましょう。
その人が困っていそうだったら、「何かあった?」と聞いてみる。
仕事で疲れていそうだったら、出来ることがないか聞いてみる。
そんなことからでOKです。
仕事で資料作成をしていて「この資料で本当に評価されるかな?」って周りが気になったら、依頼主のことを考えてみる。
「もしかしたらこの情報必要かも」とか「こういう体裁がいいかな」とか思いついたら、それを依頼主に提案してみる。
仕事でなくても、友人関係でも、家事でも、育児でも、介護でも。なんでも。
周りに対してアクションを起こすときも、「周りからの評価を気にしている自分」がちょくちょく顔を出してきます。
でもそれは仕方ないです。むしろ今まで気にしてきたんだから、気になるのは当然です。
それでも、くれぐれも「あー、また自分の評価ばかり気にしてる」と凹まないでほしいです。
それよりも、周りに give しようとした自分を褒めましょう。
もしかしたらその人が喜んでくれるかもしれないし、そうでないかもしれない。
喜んでくれたなら自信になるし、喜んでくれなくても(喜びを表現してくれなくても)、自ら変わろうとした経験を積み重ねたことを褒めましょう。
その積み重ねが自信と財産になります。
今できることに集中する
もし周りの人にアクションを起こすのに抵抗があるようだったら、今やれることを集中してやってみるのもいいです。
10分でも20分でも、短くていい。
たとえば仕事だったら「今の自分の仕事ぶり、周りの目からみてどうなんだろう?」って周りが気になったら、「とりあえず10分でも目の前の仕事に集中しよう」と切り替える。
ここでも、仕事でなくても、友人関係でも、家事でも、育児でも、介護でも。なんでも。
集中してやっているときは、ネガティブな気持ちになっていないことに気づくはずです。
外に目を向けると、自分のことは気にならなくなる。我を忘れるってやつですね。
少しでもネガティブな気持ちが減っていたら、それがどんなに少しでも自分を認めてあげましょう。
自分のネガティブな気持ちが減る減らないは、他人基準じゃないです。自分基準。
自分基準で、変化を認めてあげるんです。
2週間続ければ変わる
周りの目が気になって仕方がないとき。
周りの目が気になってシンドイとき。
この記事で紹介した
- 周りに目を向ける
- 周りの人のために、いまできることをやる
- 今できることに集中する
これらをまずは2週間続けてみてください。
この2週間という数字は、ニューロンが再生する日数です。
具体的に言うと、同じような出来事に対する自分の解釈が変わるのに必要な日数、ということになります。
周り観察して手に入れた情報を、「もしかして嫌われてるんじゃないか」とネガティブに解釈するか、それとも「自分に何かできることはないか」と解釈するか。
この解釈が変わるのに必要な日数が、2週間と言われています。
ウジウジしてても何も変わらないけれど、少しでも行動すれば現実は変わります。
まずは2週間、試してみてください。
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