【10kmマラソンで40分切り】40代の僕が実践したランニング練習

【10kmマラソンで40分切り】40代の僕が実践した練習法 ランニング

2020年10月、ついに10kmマラソンで40分切りを達成しました。

ランニングを本格的に始めた頃は、40分で走る人をみて他人事のように思っていました。そんな自分が40分を切るなんて・・・嬉しさがこみ上げます(涙)

10km40分切りというのはサブスリーほど認知度は高くないかもしれませんが、分かる人には分かる中級市民ランナーの一つの基準ではないでしょうか。

この記事では、走る習慣がほとんどなかった僕が、約2年間でどういう練習をして40分切りを達成したのかお伝えします。

僕のスペックと走る目的

まず最初に僕のスペックについてお伝えします。

というのも僕自身、マラソン関連の情報を調べるときは、発信者がどんな人かを確認するからです。僕は40代ですが、20代の人や高校や大学で長距離をやっていた人の練習をまねてもうまくいきません。

僕のスペック

年齢:41歳(1980年生まれ)
身長:167cm
体重:58kg(走り始めてから5kg程度痩せました)
体脂肪率:10%前後(走り始めてからかなり落ちました)
ランニング歴:2018年の暮れ頃から

スポーツは高校までは球技(ラグビー)を、社会人になってからはたまにフットサルをやる程度。

学生の時は短距離は速かった(中学生のときに100mを11秒台で走ってました)ものの、長距離はからきしダメで、今でも苦手意識が強いです。

とはいえ、年齢を重ねて、人生は他人との勝負ではなくて自分との勝負だということに気づき始めた30代後半から、きっかけがあって本格的にランニングを始めるようになりました。

ランニング歴は、この記事を書いている時点で2年とちょっと(マラソン大会の直前だけ数回練習するファンラン歴は5~6年)。10kmマラソンとハーフマラソンには出たことがありますが、フルマラソンは走ったことはありません。

10kmマラソンの試合歴

・2017/02 神奈川マラソン 57:23
・2018/02 神奈川マラソン 54:34
・2018/11 よこすかシーサイドマラソン 47:32 *この大会の少し前から真面目に走り始める
・2019/03 北下浦ふるさとマラソン 46:17
・2019/11 よこすかシーサイドマラソン 41:06
・2020/06 UP RUN新横浜鶴見川マラソン 40:48
・2020/10 多摩川 季節のめぐみマラソン 39:43

ハーフマラソンの試合歴

・2019/05 東日本国際親善マラソン 1:46:05
・2019/10 東日本ハーフマラソン 1:36:09
・2020/11 UP RUN新横浜鶴見川マラソン 1:29:46

今はランニング以外のスポーツは特にやっていません。

■走る目的

走る目的もお伝えしておきます。

それは一番に健康と体力の維持です。

走りすぎて怪我をするとか、疲れがたまってコンディションが落ちて日常生活に支障をきたすとか、そういうことは本末転倒であり、なるべく避けたいと思っています。

そして仕事での信頼関係や家族との時間より優先するものでもありません。

ですので、この記事は「なにに優先しても10kmマラソンで40分切りを達成するんだ!」という覚悟をもった人が書いているのではなく、

ランニングにかけられる時間は平日は1時間で休日は1時間半程度、健康第一で家族の時間も楽しみつつ、仕事に影響のない範囲で一生懸命ランニングをしている人物が書いています。

無駄な練習や意図的な回り道をしてきたつもりはありませんし、それなりに試行錯誤もしてきました。

ですが、ランニングに使える時間が割とたくさんあって、ランニングの優先度が僕より高い方の場合は、もっと別の方法があると思います。その前提でお読みください。

参考にしている本

たまに友人達と一緒に走ることはあるものの、練習は基本的に一人です。クラブに入っていたりはしていないので、練習の指針は本を参考にしました。

たくさん読みましたが、今でも参考にしている本を紹介します。

まずご紹介するのはみやすのんきさんの著作です。特に以下の4冊は特に何度も読んでいます。

独自の視点で身体の動きへの考察がなされていて、ランニングフォームの改善に役立っています。

上の4冊は発売順に並べています。僕は順に読んでいますが、今だったら4冊目の『マラソン腕振り革命 ターンオーバー理論で驚くほど推進力がアップする!』から読むのがオススメ

体幹部(手足と頭以外の部分)の姿勢について詳しく書かれており、ランニングだけでなく普段の姿勢や歩くときの姿勢にも適用できます。

立ち姿勢が良くなると普段の生活が楽になります。歩くのが速くなりますし、ひいては走るのも楽になります。

そのあとに『「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー』で読んで脚回しを中心とした動きを頭で理解し、写真がメインの『誰も教えてくれなかったマラソンフォームの基本 遅く走り始めた人ほど大切な60のコツ』でイメージをつけるのがいいと思います。

『アルティメット フォアフット走法 56歳のサブスリー! エイジシュートへの挑戦』は上記2冊を読んだ後の応用編という印象です。フォアフットの習得以外にも、練習メニューを作る参考にしました。

その他に読んだ本としては、こちらがあります。

僕はランニングを本格的に始めた当初、走るたびに追い込みすぎて、というか追い込まないと意味がないような気がしていて、気持ち的にバーンアウト気味になっていました。

身体にも無理がきて、3か月で2回ふくらはぎを痛めたこともありました。

この本には、表紙に「ツラい練習は絶対にしない!」とあるとおり、追い込まない練習を淡々と継続することで走力を上げる練習方法が書かれています(楽な練習ということではないです)。

追い込まない練習だと怪我のリスクも減るし、走る楽しさを味わえます。楽しいと継続できるのでさらに走力が向上します

後述する練習メニューはこの本のエッセンスを取り入れてつくりました。

最後にご紹介する本はこちら。

ランニングが趣味なら「VDOT」を聞いたことがある人も多いはず。

VDOTはこの本の著者であるジャック・ダニエル氏提唱しているもので、今現時点での走力からジョギングやインターバル走などの適正ペースが導き出せる指標です。

VDOT計算機はこちら

V.O2 Running Calculator
An easy-to-use training platform for athletes and coaches, including the science and formulas of legendary coach Dr. Jack Daniels.

ただ僕の場合は、VDOTで導き出されるペースにはそこまでこだわらずに走っていました。というのも、このVDOT指標で導き出したペースで走ると、かなり追い込むことになるんですよね・・・

上で紹介したみやすのんきさんの『アルティメット フォアフット走法 56歳のサブスリー! エイジシュートへの挑戦』にも書いてあるとおり、「中長距離を主体とした若いアスリート寄りの設定」と思えなくないです。

僕がこの本で参考にしたのは、おおまかな練習配分やそれぞれの練習の上限についてです。たとえば週間走行距離がこれくらいの人は、ジョギングの距離をこれくらい、スピード練習はこれくらいを上限とする、といったことが書いてあります。

またそのほかに、800mからハーフマラソンについての練習方法についてもフルマラソンと同様に詳しく書かれています。

練習で念頭においていること

練習する上で念頭に置いている2つのことをお伝えします。

それは

「追い込みすぎるくらいなら、ゆるすぎるくらいがいい」
「練習の目的をきちんと考える」

の2つです。

まず1点目の「追い込みすぎるくらいなら、ゆるすぎるくらいがいい」から。

僕を含め多くの人が「キツい練習をしないと成長しない」と考えてしまいがちです。僕も今でも油断するとキツイ練習に逃げることがあります。

たとえば心肺機能を鍛えるためにインターバルトレーニングをするとして、その時の自分にとって適切なペースが1km3分50秒なのに、3分40秒でトレーニングしたとします。

「キツい練習ほど成長できる」と考えてしまうと、どうしてもペース設定を上げてしまいがちですが、心肺機能を鍛えるのに適切なペースは1km3分50秒なんです。

それ以上のペースで走っても、心肺機能を鍛えるのに効果はありません(スピードの向上には役立つかも)。

逆にフォームが乱れて身体の使い方に変なクセがついたり、怪我のリスクが増えたりします。疲れがたまって数日走れないかもしれません。

もし1km3分50秒でも余裕でこなせるのだとしたら、適正ペースの計算が間違っているということになります。つまり自分が考えているよりも走力が向上しているということ。

このような時は僕の場合「次のインターバルからは1km3分40秒でやろう!」とするのではなく、10kmのマラソン大会に出てみたり、一人で5kmのタイムトライアルをやってみたり、走力の確認をするようにしていました。

一番大事なのは怪我のリスクを避けること。怪我をしてしまえば、走る習慣を失ってしまうことにもなりかねないし、走れないストレスを抱え込むことになります。

そのため、特にスピードトレーニングのペースを上げるのは慎重になっています。それと少しでもどこかに痛みを感じたら、躊躇なくペースを緩めたり走るのをやめてウォーキングしています。

また2つ目「練習の目的をきちんと考える」ことも大事。

僕は今でもやりがちなのですが、疲れをためないで走るはずのジョグで気持ちよくなってスピードを出しすぎてしまい、逆に疲れをためてしまうということを何度も繰り返しています・・・。

身体が重たくなり、後日のポイント練習()がこなせなかったことも何度もあります。

ジョグで気持ちよくなってスピードを出すこと自体は、決して悪いことではないです。そのジョグの目的が、身体のコンディションに応じてスピードを出し心肺機能と筋肉に刺激を入れることだったら良い練習をしたことになる。

良い練習かどうかは、目的次第ということですね。

僕の場合、ある程度までは行き当たりばったりの練習で記録は伸びていきましたが、伸び悩んでからは練習の目的を意識するようになりました。

まだまだ意識は定着してなく、晴れてて気持ちいい陽気のときには思わずスピードを出しすぎてしまうこともしばしば・・・ですが。

*ポイント練習:ランニングを始めた当初は「ポイント練習」という言葉に耳慣れず、ググったのも懐かしい想い出。

それにしてもランニング用語って独特じゃないですか?

「サブエガ」「つなぎ」「キロ何分」とか、ランナー同士の会話って、ランニング初心者の頃は違和感だらけでした。気付けば僕もそっち側に入ってるような気がしますが・・・。

ちなみにポイント練習とは

「トレーニング計画の中で重要な練習のことをいう。強度の高いトレーニングやレース前のペース走などを指す場合が多い。」

出典:Runnet https://runnet.jp/community/dictionary/item.php?_num=383

まるで「つなぎ」のジョグが重要な練習ではないような。

ちなみに僕の練習はジョグが8割を占めていて、疲労抜き、コンディションやフォームの確認など重要な意味を持っています。

練習内容

ざっくりと「伸び悩む前」と「伸び悩んだ後」に分けて書きます。

伸び悩む前:2018年晩夏 ランニング開始 ~ 2019年秋頃

練習内容と言っておきながら、この頃は特に何も考えていません…

特に最初の頃は、スピード練習はやらずにひたすらジョギング。ペースはその日のコンディション次第で、計測すらしていません。

まずは走ることを習慣化することから始めました。走る回数を、はじめは週末に1回、次に平日に1回と週末に1回、というように増やしていきました。

週に3~4回程度走るようになった2019年春頃。少しずつ速く走れるようになってきた自分に酔ってスピードを出して走るようになると、立て続けに左右のふくらはぎを痛めます。

このケガが自分のランニングフォームに疑問を持つきっかけになりました(と同時にスピードを出して走ることに臆病になったのですが、この点については後述します)。

そんな時に出会ったのが、上で紹介したみやすのんきさんの『「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー』。

前脚が着地する前に後脚の膝が前脚の膝を追い越す「シザーズ」という動きと、骨盤を含めた体幹が起点となって四肢が動くという意識を知りました。

この動きを体得すれば、怪我をしないフォームを身につけられる気がしました。そこで続けて『誰も教えてくれなかったマラソンフォームの基本 遅く走り始めた人ほど大切な60のコツ』を読んでイメージを頭にたたき込み、

そのイメージをもってジョギングすることで、次第にランナーっぽいフォームになってきたように思います。

思いがけず良かったのは、フォームを意識するためにはそれほどスピードを出しては走れず、結果として無理のないペースで落ち着いたことです。

無理のないペースで走ると疲れもそれほどたまらないため、走る頻度も徐々に増え習慣化に成功。2019年の夏にはほぼ毎日走るようになりました。距離は1回で5~6kmで、月間走行距離は150km程度だったでしょうか。

毎日走るようになると、ペースがゆっくりであっても面白いように身体が変わっていきます。体重も数年ぶりに60キロを下回り、それがさらにランニングに好影響をもたらしました。

フォーム改善で試行錯誤しながらジョギングを重ねた結果、スピード練習をすることなく、2019年秋には41分06秒までタイムを縮めることができました。

この時期の練習のポイントは、

走れる身体はジョギングでつくられる

ということです。

ここでいうジョギングとは、上で紹介したVDOTでいうEペース()よりも遅いペースです。ほとんどキツさを感じないペースと言って良いかもしれません。

走り始めの頃はランニング用の時計をせずに走っていたため、実際のペースを計測していませんが、感覚的に1km7〜8分くらいだったと思います。歩いているよりも少しだけ呼吸が乱れる程度のペースです。

特に最初の頃は、こんなんでトレーニングとして意味あるの?というくらいのペースがいいです。

初心者にとってのジョギングの重要性は、みやすのんきさんの『「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー』に書いてあります。

これ(ブログ主注:ジョグのこと)によって脂肪燃焼に一役買ってくれるミトコンドリアの量が増えて、毛細血管が身体の中に新規に構築されて張り巡らされ、身体の全身すみずみまで酸素とエネルギーが行き渡るようになります。また、老廃物が早く取り除かれるようになります。澱みがが清流になるのです。ゆっくりとしたペースで走ることによって、安全に関節や筋肉を痛めずに徐々に鍛えられて走れる身体になっていきます。

「大転子ランニング」で走れ! マンガ家 53歳でもサブスリー

また「ペースはキロ7~9分でも十分」とあります。

「徐々に鍛えられて走れる身体になっていく」というのはまさにその通りで、少しずつ身体が変化していき、体重も落ちていきます。

それで面白くなってついついスピードを出すようになってしまうのですが、そこはくれぐれもご用心を。周りと自分のフォームを気にする余裕をもてる、そんなペースを維持しましょう。

*Eペースとは最大心拍数の59-74%程度のペースで走ること。2019年秋に10kmを41分06秒で走った当時の僕の場合は、キロ5:06~5:37のペースになります。

Eランニングの効果は、ケガに対する耐性をつくる、心筋を強化する、血液の酸素運搬能を改善する、筋繊維をランニングに有利な性質に導く、ということである

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版

上でVDOTについて書いたとおり、EasyなEペースといいながらあまりEasyではない(少なくとも僕にとっては)ので、最初はあまり気にせず自分にとってのEasyなペースを見つけてみてください。

伸び悩む:2019年秋頃 ~ 2020年夏

2019年秋の10kmマラソンで41分06秒で走ることができ、大幅に自己記録を伸ばした僕は、これまで通りスピード練習に取り組まずにジョギングを続けることになります。

成長していると練習を見直す必要がないですからね。

2020年の3月頃から、新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため在宅勤務となりました。通勤にかかる時間をランニングに使えるようになり、走る時間と距離が増えました。

緊急事態宣言が出た4月から5月は1回で10km程度走るまでに。結果として月間走行距離が300km前後に到達します。

宣言が解除されてからすぐに6月頭のマラソン大会にエントリーし、月間走行距離300kmの成果を見せてやろうとムフフのフ。

ところが結果は40分48秒。2019年秋から20秒も縮まっていません。気温や湿度の影響もあると思いますが、月間走行距離を倍近くまで増やしたわりには・・・という記録です。

スピード練習を始めるタイミングについて考える

結論から言うと、ジョギング以外の練習、特にスピード練習をやっていなかったことが記録が伸び悩んだ原因でした。

この後に練習を見直し、走行距離を減らして少しずつスピード練習を取り入れていったところ、自分でもはっきりと分かるほど走力が上がりました。それが何よりの証拠です。

「月間走行距離は関係ない。量より質だ」
「ジョギングだけでは速くならない」

こうした台詞をよく見聞きしますし、上で紹介した本にも書いてあるんですよね。

でも当時の僕は、そういうこともあるかもしれないが、自分にはまだ関係ないと思っていたような気がします。本を読んでも、自分に都合の悪い部分は読み飛ばしていたのでした。

過去にふくらはぎを痛めたのも、スピード練習を先延ばししてしまった一つの理由ではあります。要するにスピード練習を避けていたということ。

ジョギングによってある程度走れる身体に変化した
→ジョギングのみの練習による伸びしろが少なくなってきた
→少し強度の高い練習が必要だった
→でもジョギングだけで距離を伸ばし続けた

これが記録が伸びなかった原因です。

ではどのタイミングでスピード練習を始めればよかったのか?

そのタイミングを知るには、大会に出るなりして自分の実力を定期的に把握する必要があります。伸び悩んでいればスピード練習を始めるいい時期です。

大会が無理なら3kmや5kmで定期的にタイムトライアルするのもありです(僕の場合は後述するようにインターバルトレーニングで走力を確認していました)。

もしくはみやすのんきさんの本に書いてあるとおり「普段のジョグで10km程度が余裕になったら徐々にスピードを意識する」のもいいかもしれません(当時も読んでいて目には入っていましたが・・・)。

ということで、スピード練習を始めるタイミングは難しいです。

早すぎれば怪我のリスクが高まるし、実際に怪我をしてしまえば走れなくなってランニングをやめてしまうかもしれない。

遅すぎれば成長している実感が持てなくてやめてしまうかもしれない。

ですので、スピード練習を始めるタイミングはぜひ以下を参考にしてみてください。

  1. 走り始めの頃はジョギングだけ。まずは走る習慣と身体をつくることに専念する
  2. ある程度まではジョギングだけでも記録は伸びる
  3. ただし、ジョギングだけではそのうち記録は伸び悩む
  4. 伸び悩むタイミングを知るため、定期的に自分の実力を計測する(大会が無理なら一人でタイムトライアル等でもOK)
  5. 伸び悩んだら/普段のジョグで余裕で10km程度走れるようになったら、スピード練習を取り入れる

スピード練習の取り入れ方と内容

僕がどのようにしてスピード練習を取り入れていったか説明します。

僕の場合、いきなりインターバルトレーニングなんてやれる気もしなかったしケガも怖かったので、ゆっくりとスピード練習を取り入れていきました。

スピード練習は想像するだけできつくて憂鬱になりますが、習慣化してしまえば精神的なつらさは半減します。完全にはゼロにはならないけど・・・

具体的には、最初に次の2点を習慣化するようにしました。

  1. ジョグのあとにウインドスプリント(流し)をする
  2. ジョグの最後1kmを、現状のレースペース近くまで上げて走る

この2つは本当にオススメです。

今でも仕事が忙しくて走る時間が限られている場合は、1~2kmアップして流しを3~5本やりダウンして終わる、ということをよくやります。30分くらいでいい負荷がかけられますし、ダイナミックに身体を動かすとジョグとは違った気持ちよさがあります。

ちなみにウインドスプリントで得られる効果は、心肺機能の向上やフォーム改善などです。本格的なスピード練習を始める前にもってこいですね。

ウインドスプリントについて解説しているサイトはたくさんあるので、詳細は確認してみてください。僕はだいたい100~150mくらいの距離を7~8割くらいの力感で走っています。

2つ目の「ジョグの最後1kmを、現状のレースペース近くまで上げて走る」は、『「3時間切り請負人」が教える! マラソン<目標タイム必達>の極意』を参考にしました。

この本の著者である福澤さんは、

「キツイと感じたら練習ではない」
「イヤな練習は絶対にしない」
「マラソンの練習は15㎞までで十分」

と考えており、練習の基本は「毎日ゆっくり10~15kmのジョグ。週に1~2回ジョグの最後1kmだけレースペースまで上げるビルドアップ走をする」「30km走もインターバル走も不要」としています。

たとえばフルマラソンでサブスリーを達成するための福澤式練習法として、次のメニューが提案されています。

月: 休み or 60分ジョグ(1km6分)
火: 60分ジョグ(1km6分)
水: 10kmビルドアップ走(1km5分30秒→4分30秒)
木: 60分ジョグ(1km6分)
金: 60分ジョグ(1km6分)
土: 60分ジョグ(1km6分)
日: 15kmビルドアップ走(1km5分→4分)

サブスリーを達成するには、さぞかし辛くてキツイ練習をしなければならないと思っていましたが、このメニューだけをみると「それほどでもないかも・・・」と思えなくもないです。

ただし、この本はフルマラソンを前提としているので、10kmマラソン向けには多少アレンジする必要があります。

サブスリーを達成するような人が10kmマラソンで40分を切れないなんてことはないと思うので(サブスリーする人の10km通過タイムは42〜43分です)、そう考えればサブスリーを前提につくられたアレンジ前のメニューでも10km40分切りを達成できるのかもしれません。

ただ僕は当面は10kmマラソンで頑張りたいと思っています。スピードで考えると、サブスリーだと1km4分15秒ペース、10km40分切りだと1km4分ペースですので、若干このメニューだと遠回りかもしれない。

そこで僕は基本的な次のようにしました。

月: 50分ジョグ(1km6分)
火: 40分ジョグ(1km6分)+流しを3~5本
水: 8kmビルドアップ走(最後の1kmを4分で)
木: 40分ジョグ(1km6分)+流しを3~5本
金: 休み or 50分ジョグ(1km6分)
土: 8kmビルドアップ走(最後の1kmを4分で)
日: 15kmジョグ(1km6分)

それまでの練習メニューに比べて走行距離を減らし、その分ウインドスプリントとビルドアップによるスピード練習を入れるようにしました。

メニューを決めたといってもこれに固執していたわけではなく、かなりざっくりとやっていました。福澤式練習法でのビルドアップ走は、ペースを「上げる」のではなく「上がる」感覚で、とありますが上がらないときもあります。

そんなときは、最後の1kmだけ4分切って走れればいいやーくらいの気持ちでやっていました(というかほとんどそうだった気がする)。

ビルドアップ走の前日のジョグで、気分良くなって速く走ってしまい疲れがたまったときは、最後の1kmですら頑張れなかったことも多々あります。

その時のコンディションに合わせて柔軟に考えながら、時には休足日も設けていました。

インターバルトレーニングについて

福澤式練習法では「インターバルは必要ない」としています。ただ、走力向上のための練習ではなく、現状の走力「確認」のための練習としてだったらやってもいいと書いてあります(もちろん「確認」のためであってもやらなくてもいい、とも書いてあります)。

上で書いたとおり、自分の実力を定期的に確認することは伸び悩みを防ぐためにも大切です。

そこ僕は上記のウインドスプリントとビルドアップが習慣化したあと、10kmマラソン向けに2週間に1回程度のインターバルトレーニングを取り入れました。

インターバルといえば、レースよりかなり速いペースでの「1000mを5本」などが一般的ですが、ケガが怖かったですし、走力を確認するのにフォームが乱れてまで走るのは嫌だったので、

僕は『アルティメット フォアフット走法 56歳のサブスリー! エイジシュートへの挑戦』にあった練習メニューを参考にし、だいぶ遅いペースでのショートインターバルにしました。

その練習メニューというのは、マラソン世界記録保持者(!)のキプチョゲ選手が実施しているものです。

(おいおい、世界記録保持者のメニューかよ・・・との声も聞こえてきそうですが笑)

キプチョゲ選手ともなれば、とてつもないスピードでインターバルトレーニングしているイメージですが、意外にもそうでもないんですよね(あくまで「キプチョゲ選手の走力の割には」です)。

レースペースより数秒だけ速いペース設定で、しかも距離は200mや400mと短い。

この内容なら僕にも無理なくできそうだったので、僕はインターバルトレーニングの内容を次のようにしました。

400m/94~95秒 (Rest40秒) 
*400m94~95秒は、1kmを3分55秒~3分57秒のペース

1000mのインターバルでは5~7本程度の疾走回数が定番のようです。そこで僕は疾走区間の合計距離が同じになるよう400mインターバルの本数は15本を目指し、こなせた本数で自分の実力を確認することにしました。

最初は6本程度で諦めていましたが、次第にこなせる本数が増えていきました。15本こなせるようになった頃にレースに出場し、40分切りを達成しました。

***

ここまでが10km40分切りを達成するために実施した練習です。

長くなったのでまとめると、

  • 走り始めの頃はジョギングのみ:習慣と身体とフォームをつくることに専念する
  • ある程度まではジョギングだけでも記録は伸びるが、そのうち記録は伸び悩む
  • 伸び悩むタイミングを知るため、定期的に自分の実力を計測する:大会が無理なら一人でタイムトライアル等でもOK
  • 伸び悩んだら/普段のジョグで余裕で10km程度走れるようになったら、スピード練習を取り入れる
  • スピード練習は段階的に取り入れる:最初はウインドスプリントとジョグの最後1kmだけのペースアップだけでOK
  • インターバルトレーニングも合わせると目標達成へのスピードが上がる

40分切りを達成する1か月前の練習メニューは次の通り。

月: 50分ジョグ(1km6分)
火: 40分ジョグ(1km6分)+流しを3~5本
水: 8kmビルドアップ走(最後の1kmを4分で)
木: 40分ジョグ(1km6分)+流しを3~5本
金: 休み or 50分ジョグ(1km6分)
土: 隔週で次のメニュー:
 8kmビルドアップ走(最後の1kmを4分で)⇔ 400m/94~95秒 × 15本~(Rest40秒)
日: 15kmジョグ(1km6分)

10kmマラソンなのでレース前の調整は特に必要ないかと思いますが、僕の場合は前日だけは控えめにしました。2〜3kmのジョグをしてから1kmを4分で走り、2〜3kmのダウンジョグをして終えました。

レース本番の走り方

7〜8kmあたりが心身ともに一番きついところだと思います。

僕の場合は10kmを二つに分けて、8km+2kmのようなイメージで走っていました。

最初の1kmはどうしても速くなりがちです。「このままいったら持たん!」と思ったなら迷わず落とします。逆に落としすぎてもタイムは出ないので、「このままのペースだったら8kmまでは持つ」というペース感覚を見つけるのに最初の1kmを使います。

レースの規模によっては40分切りを狙う集団があると思いますので、入ってしまうと楽ですね。

8kmまでそのペースを維持できれば、あとは粘り(笑)。終わりが見えてくると頑張れます。

目の前には同じようにきつそうな選手がたくさんいると思うので、一人ずつ抜いていくつもりで走れるとベストです。

さいごに:継続と試行錯誤が大事

先日ご縁があって、青学OBで箱根駅伝に3回出場した方と一緒に走る機会がありました。

興奮した僕は「どうやったら速く走れるようになりますか?」なんて、まるで小学生のような質問を投げかけたのですが。

その方曰く「継続すること」と「試行錯誤すること」が重要だとのこと。

この2つは、ランニングだけではなく多くのことに共通する大事なことのようにも思えます。

10km40分切りも、もっと難度の高いサブスリーもそうですが、「継続すること」なしには達成することはできないでしょう。

継続してさえいれば良いとは言いませんが、少なくとも継続さえしていれば、目標から遠ざかることはないはずです。

ただ「継続すること」は難しい。

簡単であれば継続できるかといえばそうでもなく、飽きてしまって続かない。

難しすぎれば達成感がなく、続かない。

そこで大事になってくるのが「試行錯誤すること」です。

自分にあったランニングスタイルを試行錯誤して見つけることが、継続につながります。

冒頭の「走る目的」でも書きましたが、僕の走る目的は健康と体力の維持。そのために走ることを選択しました。そして健康と体力の維持のためには、走り続ける必要があります。

健康のために走ってるから速く走ることには興味ない、というのも分かります。僕も過去にはそうでした。ただ、健康のためには走り続けることが大事で、少なくとも僕は簡単過ぎてやりがいがなければ走り続けられない。

少しだけ頑張れば越えられそうな壁を自分でつくって、それを一歩一歩乗り越えていく。そうすれば継続できるし、健康にもなれる

そのプロセスを経た結果、速く走れるようになっている

僕はこれからも、健康と体力の維持という大目的のためにランニングを継続したいと思っています。そして、ランニングを継続するという目的のために、速く走れるようになる方法を試行錯誤して見つけ、実践していきます。

そのプロセスで見つけたこと、経験したことをまた記事にしてきます。

この記事が、走り続けること、走り続ける上で試行錯誤し自分にあったランニングスタイルを見つけること、そのための一助になれば嬉しいです。

*2021年4月、10kmマラソンのタイムが37分21秒まで伸びました!

コメント

  1. Kentuck より:

    はじめまして。記事を拝見させて頂き非常に参考になりました。私は現在44歳で中学時代に駅伝部でしたが、ここ3年くらいでランニングを再開しました。あと2ヶ月後のマラソン大会(10km)にエントリーしており、40分切りを目標にしています。最後のマラソン大会は吉川町のなまずマラソンで、10km 48分でした。平日は仕事で走れない為、週末土日のみの練習ですが、この記事を読んでやはりほぼ毎日練習が必要なんだと感じました。現在の練習は10kmを1km4:10〜4:30ペースで走っていますが、正直キツイです。とても4分ペースで10km走るイメージが湧きません。身長は177cmで64kgあるので、やはりペースを落として毎日走り体重を落とそうと思います。また、慣れたヒールストライクからフォアフット走法へも試行錯誤を繰り返しながら習得中です。この記事を読んでヒントがつかめた気がするので、継続して頑張ってみます。

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